57人が本棚に入れています
本棚に追加
どうせ捕まって罰を受けるなら、つまみ食いじゃなくて国王暗殺未遂の罪で罰を受けたい。
暗殺者としてのプライドが、わたしの中でそう叫んでいた!
「そうですか。では、『晒し首』か『城下引き回し』を選ばなければいけませんね」
「やっぱり何もやってませんつまみ食いしただけです王様の暗殺なんてこれっぽっちも考えてませんでした本当です信じてくださいッッッ!!」
「ビックリするほど簡単に自白しましたね。私は王の暗殺がどうなど、言っていませんが」
「はっ……!?」
しまった、つい命欲しさに! ぐぬぬ、アリス・アリアスなんたる策士!
「やはり、我が王の暗殺が目的でしたか。素直につまみ食いの罪を認めておけばよいものを。なぜ、そうしなかったのですか?」
「……だって、暗殺者としてのプライドが」
わたしがそう答えると、アリスはつくづく呆れたように言う。
「暗殺者失格にも程がありますね」
「……ふぇ?」
最初のコメントを投稿しよう!