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でも、仕事を斡旋してくれるならそれはそれで好都合だった。
どこぞの村の貧しい村娘が王都で働こうとしても、水商売か娼館くらいでしか雇ってくれないし。
「その仕事って儲かるの?」
『それなりの報酬は用意しておる』
「ほんとっ!?」
ローブの人はもちろんと頷いて、懐からパンパンに膨らんだ巾着袋を取り出した。
『この中に金貨二百枚が入ってお――』
「やります! その仕事やらせてください!!」
金貨一枚で百ウェンだから、二百枚なら、二万ウェン! パンが四千個も買えちゃう!
『即答とは中々の金にがめつい村娘じゃな……。普通は仕事の内容を聞いてから、考えるもんじゃろうに……』
「お金! 二万ウェン! パン! 四千個! ぅへへっ、うぇっへへへへへへへへへへ♪」
『き、聞こえてさえおらんか……。ま、まあよい。限りなく不安じゃが、お嬢ちゃんにやってもらうとするかのぉ。この国の王、シュード・シュテインの…………――暗殺を』
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