57人が本棚に入れています
本棚に追加
「ミナリー・ミナーセ。あなたには、王城の厨房へと忍び込み、我が王の食事をつまみ食いした罪がかけられています」
「罪状があまりにも残念過ぎる……」
恥ずかし過ぎてもう殺して欲しかった。
ローブの人の手引きによって王城に侵入したわたしは、厨房に忍び込み王様の食事に毒薬を盛ろうとした。
そこまでは良かったのだけど、用意されていた食事があまりにも美味しそうで。
まさか、毒を盛る前から毒が盛られていたとは考えるはずもなかったわけで。
王様の食事をつまみ食いしたわたしは気を失い、気が付けば地下牢で磔にされていたのだった。
「罪を認めますか、ミナリー?」
「ぅっ……」
認めたくない。王様の暗殺のために王城へ忍び込んでおきながら、よりによってつまみ食いの罪で捕まってしまうなんて生き恥にも程がある。
こんな間抜けな罪を認めてしまったら、人として終わる気がする。
お金に目がくらんで国王を暗殺しようとした時点で終わっている気もするけど。
「罪を認めるのが早ければ早いほど、楽になるのですよ?」
「ぅぅぅっ…………」
認めたくないものは認めたくないものだ。空腹ゆえの過ちというものは特に!
最初のコメントを投稿しよう!