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「そうですか。……では、それ相応の尋問をしなくてはいけませんね」
そう言って彼女は、わたしの頬に優しく手を添えた。
アリスの端正な顔立ちが、すぐ近くにある。
白磁色の綺麗な肌。スッと長い鼻筋。みずみずしい唇。
王国一と謳われる美貌がすぐ目の前にあり、同性のはずなのに心臓がドクッと飛び跳ねた。
鼻孔をくすぐる甘い香り。貧乏村じゃどんな女の子に抱き着いても嗅げそうにない匂いに包まれる。
これがお金持ちの女の子の匂いなんだと、実感する。
ところで、わたし、何されるの……?
「安心してください、ミナリー」
彼女は「ふふふっ」と妖艶に笑って、そっと優しい手つきで指を這わせた。
頬から首筋、さらに鎖骨へと。順々に、ゆっくりと、まるでわたしの肌を楽しむように。
「ふぁ……っ」
そのくすぐったさに声が漏れる。すると彼女は嗜虐的な笑みを浮かべて、わたしの耳元へ唇を近づけた。そして囁くような声で言う。
「力を抜いてください。大丈夫。ほんの少し、気持ちよくなってもらうだけですから♪」
あの、どこが大丈――ふぅぅ……っ、ぁっ、だめ、そこ、らめぇええええええっっっ
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