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「…どうしようかな。」
ちょっと迷うが、知らないやつじゃないし、話だけでも聞いてやるかなと、仏心を出したんだ。
吉水先生のスケジュールを書き込んだホワイトボードと、そこに貼り付けられた何枚かのメモ書きを覗き込んだ。
それから、キッチンで煎れた珈琲を持って、叔父さんのデスクに近付いて行った。
「叔父さん、珈琲入ったよ。」
「おお、サンキュー。…なんだ?なんか言いたそうだな海斗。」
「あのさ、今度の水曜日、仕事休みもらってもいいかなぁ?」
「…休みか?」
叔父さんは、スケジュールを確認してから言った。
「いつも、きっちり仕事してくれてるからな。たまには、いいぞ。
ところで、その日だけで、いいのか、休みは?
欲しかったら、他の日も休みをやるぞ。」
「とりあえずは、その日だけでいいよ。また、追加が必要なら言うから。」
「そうか。じゃあ、その日は、思い切り羽を伸ばしてこいよ。」
「うん、ありがとう。」
早速、俺は、笹森に返事を出したんだ。
まさか、笹森の話が、あんな話だったなんて、その時の俺は、思いもしなかったんだ…。
【久し振り。元気してたか?メール読んだよ。今度の水曜日なら、仕事休みをもらえるから、会えるぞ。それでいいか?】
しばらくすると、返事が来た。
【ありがとう。時間は、海斗に任すよ。】
そして、俺達は、昼飯を兼ねて会うことになったんだ。
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