1日だけの恋人

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桂花に、何がしたいか聞いてみた。そうしたら、とにかく、恋人っぽいことしたいって言うんだ。 「悪い、俺、女の子とは、1対1の付き合いって、したことないんだ。だから、恋人っぽいことってのが、よくわかんねぇ。」 「そうなんだ…。じゃあ、私と歩くときは、腕を組んでね。」 「ああ。」 「いつでも紳士らしくレディ・ファーストで、お願いします。」 「ああ。」 「それから、遠慮はしないで欲しいの。嫌なことは嫌って言ってね。」 「わかった。」 頷く俺を見て、桂花は、にっこり笑った。 「…原宿で、お買い物したいから、着いてきてくれますか?」 「恋人っぽいことって、そんなのでいいの?」 「彼と楽しくお買い物は、私の理想のひとつなの。男の子のお買い物って、女の子のお買い物とは、ペースとか、見るところが違うでしょ。だから、誘いにくくって…。」 俺は、この子、すごく細やかな心遣い出来る子なんじゃないかなぁ、なんてことを思ったんだ。 とにかく、今日1日、付き合う約束をしたんだ。ちゃんと、果たさなきゃな。 「よし。じゃあ、ともかく原宿な。それから、お昼食べよう。お腹が膨れて、エネルギーチャージ出来たら、ショッピング。これでいい?」 「はい!ありがとうございます!」 桂花は、すごく嬉しそうな顔をしたんだ。
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