23歳

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そんな渇ききった私が出会ったのは 当時とても仲良くしていた友人の兄弟「G」です。 Gの性別は女性 私の性の対象は今も男性ですが Gの持つ独特の魅力に興味がありました。 もちろん女性なので遊びに誘われても断る理由もなく そうして遊び、度たび顔を合わすにつれ 私の心は興味から恋に変化していくのです。 自分の中で恋に変化しているのを認めようとはせず ただ勝手に身の向くままに過ごす日々... そんな時、私の誕生日をお祝いしてくれると 連絡がありました。 そしてとうとう開けてはならない扉を開けるのです。 そう、私たちは二人で夜の街に繰り出したのです。 子供が寝静まった頃、用意を済ませ、迎えを待つ Gは旦那様とも知り合いなので 旦那様も何も言わず 行ってらっしゃいとお見送り... いざ車に乗せてもらうと、 少しいつもと印象が違う気がしました。 夜の街がそうさせているものと 深く気にも留めず ドライブを楽しみながら目的地へ... おいしいディナーですっかり心がほぐれた頃 Gの友達のお店へ連れて行ってもらいました。 俗にいうオナベのお店です。 私はそこで初めて気づいたのです。 Gがソレだということに... なぜ気づかなかったかというと...Gにも子供ちゃんがいたからです。 私は心理学がとても好きで 大学の頃も心理学を専攻していました 心理学から少し外れますが、 そういう性同一性障害についても 色々勉強していたつもりだったので、 出産経験がある=女性と勝手に解釈していたのです。 彼はとても真面目で自分に厳しい人でした。 (今でもそうですが) そんな彼は幼少の頃から自分の性に悩み 自らの性を全うする事に重きを置き、 結果、それでも違うと感じたときに 初めて自らの本当の性を認識したとのことでした。 ソレが彼にとって普通の結婚と出産だったそうです。 すぐにその結婚は破綻したそうですが、 子供ちゃんは立派に育て上げられましたよ。 既に 今や孫までいる彼は、自らの人生を後悔すること無く とても満足していると... あの時の自分をほめてやりたいと... さて、彼の友達のお店に付き、お酒を飲む私たち... そしてソレを囃し立てるご友人... そう、 ココで彼から自らの性について告白され、 彼の気持ちをストレートにぶつけられ 嬉しさと戸惑いの入り混じった 忘れられない誕生日となったのです。
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