3人が本棚に入れています
本棚に追加
昼12時。
3階の喫煙室には5人の強面刑事がいそいそと入って来ては、互いに肩を縮こませて煙草に火をつける。
近頃、頭のてっぺんが薄くなり始めた東城は、6人目が入って来るのを見るとあからさまに嫌な顔を向けた。
「あ、すいません。失礼します」
扉が閉まり、部屋の中の人口密度が一気に上がる。
「おう、木村。こっち来い」
「は、はい!」
“木村”。
そう呼ばれた新米刑事は、大先輩のオヤジ刑事の元まで割って入ると、「今日はこれ、試してみるか」とオヤジ刑事の差し出す煙草を有り難く頂く。
その様子を黙って見ていた東城は、煙草の火元が上がっているのに気付かずに、火元が指に当たって慌てて煙草を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!