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さて、続き続きっ。
私はメール画面を開き、新規メール作成ボタンを押す。
今日は龍哉君にどんな意地悪をさせちゃおっかなー。
真っ白な画面に高速タッチで文字を打ち込む。
もしこの瞬間をヒーローマンガの脇役が見てるとしたら「なにっ!?指使いが速すぎて見えないっ!」なんて愕然とするはずだ。
手慣れた様子で一心不乱に文字を打ち込む。
その1つ1つの文字が単語になり、文章となり、真っ白だった画面に鮮やかな世界が広がっていく。
そしてあっという間に何センテンスかの物語が生まれた。
そう、私は携帯小説家。
そして甘甘恋愛界の女王、伊秩ナツキなのだ!
「千夏さーん、そろそろ休憩こうたーい」
「どひゃぁあぁぁああ!!」
「うおっ!?何っ!?なんなの!?」
突然の侵入者に思いっきり驚いて、私はバカ丸出しの奇声を上げてしまった。
声をかけただけの渡邉君も私の突然のリアクションに思わず仰け反る。
そして私達の間に、無意味な沈黙が続く。
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