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「ちょっとトートそんなにくっ付かないでよ」
「痛い!」
デコピンされたトートはすごすごと引いて、聞く姿勢をただすのでした。
「じぁ読むわよ……と言いたいけど、トートは後で読んで………
キーコ、アニーだ!
無事に、俺の何代目かの子孫がこの手紙を届けたなら読んでくれ……
(アニー久し振り!
うふふ……ちゃんと届いて読んでるわよ)
俺はいま余命幾ばくもない身だ?
(えっ、余命幾ばくもないの!)
この手紙を認めるにも十日あまりもかかった。
(そんな時にあたしなんかに手紙を……)
あ、心配するなナズナも承知のことだ……
(ならいいけど……)
一緒に送った指輪は……いま思えば懐かしい物になってしまった……
(そうだね……あたしの強引で半分脅(おど)しみたいな)
あまり結婚と言う意味も理解せずに、どころか男と女の関係さえ良く分からず……
(あはは……
そうだっただろうねアニーは)
その時が女性のディダム神父でさぁ、無理矢理に一緒にされたみたいで……
(ごめんねアニー……
あの時は逃(のが)すまいとそれなりに懸命だったのよ)
それから黄金のあの世に着いて……
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