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「トート、お前は人間になって間もないから分からないんだよ」
「今の言葉聞き捨てなりませんね!」
「元バッグでも今の言葉に怒るのか?」
「怒りますよ! 競走したら私のほうが早いんですからね、キーコさんの頭をぶっ叩いて逃げますよ!」
トートは、叩く態勢を作りました。
「やれるものならやってみな! 時間を止めてぼこぼこよーーー!」
「時間ですか……」
キーコは、そんなトートをよそに自分の指輪を外すとアニーの指輪と絡めました。
「どうだトート、アニーとあたしの指輪が一緒になったよ」
「あ、遂にキーコさんの想いが叶いましたね。
………で、それをどうなさるの?」
「うん、太平洋にでも沈めようかと」
トートはしばらく考えました。
「それはロマンチックでよろしいですわね」
「トート、お前と揉まないうちに早速太平洋ド真ん中にいくよ!」
トートが考えながら返事をした時には、キーコは
空高く舞い上がっていました。
「キーコさーーーん! 待ってよ~~~!」
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