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「ちよっと、キーコさん! 飲むペースが早すぎますよ! それで五本目なんですよ!」
「離せよトート! 今日はアニーの命日の日なんだよ~」
キーコとトートは家に帰り着くと、さっそくテーブルに赤ワインと肴を並べて、
「トート、今日は付き合わせちゃって悪かったね。それでは乾杯~~!」
と、二人は穏やかに年代物の赤ワインを飲み始めたのでしたが。
「それは分かりますけど」
「この減らず口、けど、とはなんだい!
あたしゃね~、メェ~メェ~おかんから酒乳を飲まされて育ったんだよ!
酒ぐせが悪いなどとは、言って欲しくないねーー!」
破り捨てた手紙のことが気を揉ませるのか、どこか苛立ちを隠せないキーコでした。
「あっ、暴力は止めて下さいよ~~!」
やっぱり手紙のことが気になるんでしょう!?」
キーコは振り上げた手を止めました。
「やっぱり……最後まで読まないからですよ。
なぜ、読もうとしなかったのですか?」
「………………」
キーコはチーズを口に放り込んで食べ始めました。
「怖かったのでしょう? 」
今度は、ワインをらっぱ飲みし始めました。
「あ~あ、年代物を。そんな飲み方をして美味しいものですか。
私はね、あの手紙を、透視で最後まで読まさして頂きましたよ。
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