24人が本棚に入れています
本棚に追加
`
キーコはらっぱ飲みを止めると、トートを睨みながら寄って行きました。
「トート今のその言葉本当か?」
「ぅわーーっ、そんなに寄らないでくださいな、鼻がくっつきそうですよ!」
「本当かと訊いているんだ!」
キーコは、唾を飛ばしながらアップで迫り、トートは大きく反るのでした。
「キーコさん鼻がくっつくーーー! あ、くっつきました」
トートは顔を背けて、キーコを両手で押しましたが、キーコはその手をはね除けてまた迫りました。
「どうなんだトート?!」
「分かりましたよ、知りたいのなら教えますよ!」
実はトートは何も知りません。
キーコがあまりにも不憫にと思い、トートが一計を案じたのでした。それは、トートの優しさからでたものでした。
「では教えます、良く聞いてて下さいよ。では」
「待てトート! それは、あたしにとって良い話か?」
「もちろんですよキーコさん! アニーさんは最後にこう綴っておられました」
キーコは押しだまって神妙に耳を傾けました。
「キーコ、俺とお前の指輪を絡めて、太平洋のド真ん中の奥深くに沈めてくれないか」
「……はあ?」
`
最初のコメントを投稿しよう!