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キーコは腕を組ながらちょっと考えました。
「トート」
「はい、なんでしょう?」
「その手紙の終わりは、あたしの行動と似てないかい?」
「そう言えば……指輪を絡めて海の底に沈めるあたりは何処となく………」
「何処となく…………
ふ~~ん、そう書いてあったんだねトート………ご苦労様だったわね」
「それでは私の話を信用して頂けるんですね」
「お前を信じないで、いったい何処の誰を信じるのよ」
トートは、アニーに飛びつき抱き締めました。
「こらこら……トート苦しいよ、離れてよ……
……嬉しいのかい?……うん?」
トートは、涙を浮かべて小さく頷きました。
しかし、トートが歓びの涙を流したのは、そのことだけではありませんでした。
「トート飲み直すよ。こんどはトート、お前のためにさ」
キーコは知っていました、トートに透視能力など備わってないってことを。
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