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アニーは家に入ると、自分が軍人であるのも忘れて走り、昔に戻ったみたいにはしゃぎ回るのでした。
「はぁ……はぁ……
姉さ~~~ん! 二十二年振りに戦争を忘れたぞ~~~」
「キーコさん、見てよ、アニーさんあんなに歓んでるよ」
トートはアニーを指しながら振り向きました。
「そうだね」
「ちょっとキーコさん、その浮かない返事、いい加減になさいね!
さっきから何が気に入らないのか知らなけどね、久し振りに帰ってきたアニーさんに失礼でしょっ!」
「トートバッグのくせに分かったような口を開くな!」
「開くな、ですってキーコさん! この幽霊女めが!」
「幽霊女……? とは何だよトート!」
「死なずに生きてるからよ」
「死なないのは、お前も一緒だ」
「えっ、私も死なない?」
「そうよ、お前は死なない。メェ~メェ~おかんからそう聞いたわさ」
「それじゃぁ、私は……」
「永遠にあたしの世話をするのよ」
「嫌ですわ! 絶対に嫌ですからね、だったら私、この家を出て行きますわ」
「ふん、減らず口、その方がせいせいするよ」
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