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「わっはははは………」
アニーの豪快な飲みっぷりに場は弾んでいき昔の話しに花が咲きました。
「そんな事もあったのかい姉さん、俺はすっかり忘れてるよ」
「そうかい、忘れるはずはないと思うけどね」
「キーコさん、アニーさんが忘れてる話しって?」
キーコは手にした紅茶のカップを口から離すと、テーブルに置いてアニーをチラリと覗きました。
「あ、待て、俺から話す」
「ほらっ、覚えてるじゃない」
「アニーさん、私聞きた~いですわ」
「トートまで……じゃ話すから笑うなよ……
あれは、小三のころだったかな……この家には週に三日間ほどの勉強会があったんだ」
「それなら覚えてますわ。私がバッグのころ日本各地から、恵まれない生徒を募ったんですわよ」
「募ったのはあたしだよ、お前は運んだだけだ」
「おほほほ……そうでしたかしら。それで如何なさいました?」
「うん、それで少しながら自分の人生観も見えて来たんだ」
「それで?」
アニーは目を円くして驚きました。
「それでって? 俺の容姿を眺めて見ろよトート」
「容姿……ああっ、失礼致しましたわ! それで?」
「それでって、トートはいつもそんな調子なのか?
それじゃぁ姉さんが大声を出すのもうなずけるな」
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