アニーが空から降ってきた

12/12
前へ
/65ページ
次へ
`  軍用ヘリから降ろされたロープをしっかり握り締めたアニーは、さよならの仕種をすると、 「久し振りのオムライス旨かったよ、姉さーーーん!」 と叫び、更に大きく手を振り、キーコはそれに小さく頷いて応えました。 「キーコさん、アニーさんが手を振りながらヘリへ乗り込んで行きますわ」  トートはそう言ってキーコに振り向きました。 「私はとっても気になりますのよ」 「何が?」 「アニーさんが小三の時に言ったと言う言葉ですわよ」 「あたしにか?」 「そうですわよ、惚けないで下さいませ、妬けますわ」 「妬ける……… あはは……大したことないよ」 「お互いに抱き合っても、ですか?」 「そうだ、抱き合ってもだ」 「キー……………」  トートはうつむきながらキーコを睨んだのでした。 `
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加