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その言葉にキーコは想いを巡らすふうでしたが……。
「あたしは行かないよ」
「ふ~ん、逢いに行かない?
あそこには別世界のアニーに成長したアニーが居るのに……
あなたの愛したアニーが……
ナズナさんの居ないアニーが」
バーーーン!
「トート! あなたのオムライスとても不味かったわ、ごちそうさまっ!!」
テーブルを叩き、そう言って席を立つキーコは、
「トート、あたしは寝直すから、部屋には近寄らないでちょうだい!!」
と言い放って、
バタン!
食堂から出て行きました。
「……別れた時とおんなじじゃん、素直じゃないんだから」
キーコは自分の部屋に消えて、トートが部屋の片付けを終えたころに、
ピンポーン
玄関のチャイムを鳴らす者が居りました。
「はあ……?」
トートは鳴り響くチャイムに息を呑みました。
トートが息を呑むのには、この家には訪問者用のチャイムはありますが、
敷地内には蟻の子一匹入れないように、バリアが張ってあるからでした。
キーコさんを起こすと五月蝿いからね。……誰かしら?」
キーコを呼ぶのを止めたトートは、とりあえずはモニターに映しだしてみることにしました。
「あれまあ……まだ十くらいの男の子じゃない!
しかし、いったいどうやってここに?」
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