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ボナニーは姿勢をただして話しはじめました。
「アニー様とその奥方ナズナ様は我らの祖先なんだよ。
それから500年くらいの年月が流れてさあ……
2038年の10月にはこれをキーコ様に渡すように、と……遺言されたんだ」
「アニーがあたしに遺言を……」
ボナニーは油紙に包まれた袋をキーコに手渡しました。
「本当にアニーがこれをあたしにと遺言したんだね?」
「そうだよ……
ではキーコさんに渡したから僕の役目は終わりだ。
オムライスはとても旨かったよキーコさん……さよなら」
「えっ、さよならって?」
「まさか、メェ~メェ~おかんの手が伸びて!」
「そうですよ、トートと呼ばれるお方。
僕は用が済むと、メェ~メェ~おかんの手が伸びて自分たちの世界へ投げ飛ばされ、あっ!」
「キーコさん、あの割けた爪はメェ~メェ~おかん手よーーー!」
「どうやら……そのようね」
そのような手が、突如空間に現れ、ボナニーを挟み、引っ張り込んだのでした。
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