トートの変身

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´  ボナニーは、目の前で投手が投げたボールのようにして、別世界へと消えたのでした。  トートはその方を呆然としながら眺めていましたが、 「キーコさん、瞬きする間もなかったですわね」 と、キーコを振り向きました。 「ボナニーは別の世界へと飛ばされて……… で、キーコさんその油紙には何が?」 「うん……」  油紙を解いたキーコは、中の物を見せました。 「指輪に手紙…… 手紙は分かりますけど、指輪は誰の?」 「この指輪はアニーのものだ。ほら、あたしのと対だろう」 「対の指輪を?」 「アニーは、ナズナさんと一緒になったんだ…… あたしとの指輪は必要ないよ」 「じゃその指輪を外して、捨てる訳にもいかず……」 「まあね…… アニーは我が子、孫……その子と……、2038年になったならキーコに渡すようにと、遺言を認めたんだろう」 「……あぁアニーさんの気持ちよ~~く分かりますわ~~~~~!    で、手紙にはなんて?」  キーコは迫るようなトートに眉をしかめるのでした。 ´
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