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「お金や物の話は女性だけでどうぞ。俺、先に行くね」
首を傾け、片手で謝罪のポーズをして返却口へと広瀬君は去って行った。
「あーあ、行っちゃった」
「そりゃあんなプレッシャーをかけられるような話をすれば、彼氏じゃない人でもどこかに行っちゃうよ」
「せっかく今日の合コン、誘おうと思ってたのにー。広瀬君って本っ当、この手の話に乗らないからね。あんたもちょうど彼氏と別れたって言ってたし……」
「お先に失礼」
ちょうど食べ終わったのをいいことに、急いでタッパーの蓋をして、知恵の隣から去ることにする。
「もー!一緒に行こうよー!メンバーが足りないのー!」と困っていたけれど、今の私には合コンより、新しい彼氏より、お金を稼ぐことに時間を使う方がずっと大切なのだ。
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