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水筒に入れて持ってきた食後のコーヒーを飲もうと、食堂に隣接されている飲料自動販売機が設置された休憩所に入った。
そこにあるベンチにはさっきまで一緒にお昼を食べていた広瀬君が先に座っている。
先客は広瀬君だけで、他には珍しく誰もいなかった。
「あれ?嶺本さんも逃げてきたの?」
飲みかけの缶コーヒーを持ったまま、顔をこちらに向ける広瀬君は愛想笑いで迎えてくれた。自分の隣を手でポンポンとして、「座りなよ」と言ってくれる。
「合コンとか今、マジで無理」
「ははっ、わかる。乗り気じゃない時の合コンって結構きついよね。せっかく誘ってくれたのに悪いけど、俺も無理だ」
同意の言葉を述べながら、広瀬君は整った顔立ちで笑う。
清潔感のある長すぎなくて柔らかい茶色の髪もサラッと揺れた。
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