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それでも、容赦なく時間は過ぎていく。
別れた直後は悲しみに浸っていたけれど、支払日は待ってくれない。
一週間も経てば、私は悲しんでいる暇もなく、無我夢中に働いた。
昼間の正社員の仕事だけでなく、夜はファミレスのウエイトレス。
睡眠時間はたったの3時間。でも、それでもお金は全然足りない。
「……だ、ダメだ。家賃が払えない……」
そんな生活を続けて一か月。
通帳残高を見ると、月に落とされる金額は私の給料の半分以上が一気に引き落とされていた。
食費や光熱費など削れるところは全部削った。
でも、お金は全然足りない。
『嶺本さん、困りますね。今月分の家賃、支払われてないんですけど』
当たり前だけど、アパートの大家さんからお怒りの電話が来た。
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