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タオルと雑誌数冊を届けてくれて、 「明日、あの子が、お見舞いいくって言ってたから、洗濯物貰ってくわよ。 あの子に渡して、洗って届けさせるわね。」 確かに洗濯物がたまっていた頃だったから、そう言ってくれた好意に甘えさせて頂いて、袋に入った着替えを持って帰って貰うことにした。 心配そうに、 「体調はどう?」 と優しく聞いてくれるお姑さん。 彼が隣にいる状態では、何度も一緒に食事したことがあったけれど、 彼が側にいない状態で話すのは初めてだった。 気を使ってくれるし、一歩引いてくれるところなんか、彼は、お母さんに似たんだろなって思わせるほど優しい人。 世間でいう嫁いびりなんて言葉は、この人の辞書にはないんだろうなって思う。 お互い気を使いすぎて、あまり接点がなかったとも言える。 「張りが少し落ち着いたって今日の朝の検査で言われました。」 私が状況を説明すると、微笑んで、 「そう。お母さんも心配してたわ。」 「今日で、赤ちゃんの大きさ1320グラムって言われました。まだ産まれるには小さすぎだから、頑張りましょうって。」 「そうねー。まだまだ小さいわねー。 お手伝いできることあったら、遠慮なく言ってね。」 「…ありがとうございます。」 「産まれたら、慌ただしくなるんだから、休めるときにゆっくり休んでおけばいいのよ。」 そう言って帰っていった。
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