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「あれ?…ここ、どこ?」先に目を覚ましたのはナナでした。
「んー…どうしたの?」聞こえてきた声に、キキも眠そうにこたえます。
そこは、小さな建物の中のようでした。汚れて曇った窓から、ぼやけた月が見えます。
あのあと、二人が青年を驚かすことはありませんでした。
いつまで経っても彼は現れず、すっかり待ちくたびれて、そのまま眠ってしまったのです。
けれども、ここは屋根の下です。一体、どうしてしまったのでしょうか。
「いけない!もう夜じゃないの。早く帰らなくちゃ。ねえ、キキ。」
「そうね、ナナ。きっとお母さんが心配しているわ。急ぎましょ。」
帰らなくちゃ!そう思った時です。
「わあ!」
「きゃあ!」
二人は突然、ゴロンと転んでしまいました。
それも、可笑しいくらいにどこまでも転がるのです。
壁にゴツンとぶつかって止まるまでに、二人は笑いだしてしまいました。
でも…。
次に見えた光景は、とてもそんなふうに声をたてられないものでした。
目の前にはカボチャの山。
それで、ここが畑の横にある納屋だということがわかりました。
そして、そこから自分達まで続くのは…真っ赤に濡れた道。
二人は、あのカボチャの山から転げ落ちたのです。
眠っている間に収穫された、頭だけになって。
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