新米社員の憂鬱

2/9
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
ここは佐賀県。 僕が生まれ育った県だ。 僕は産まれてから二十数年、この県で生きてきた。 県立の高校を出て、県内の国立大学へと進学。 僕は単位を落とすことなく、四年で大学を卒業した。 そして。 「・・・ここが僕の職場か」 目の前にそびえ立つのは県内でも有数の巨大建築物。 佐賀県庁。 佐賀県佐賀市に建っているこの建物は、県庁職員という公務員が働いている場所だ。 安定している職として高い人気を誇っている。 特に佐賀県は平均所得が他県に比べ低く、年齢と共に所得が増加していく傾向ではあるが、あまり期待値は無い。 つまり、年収がそこまで増加しないのだ。 その点、県庁は安定しており、それなりの出世と所得が約束されている。 栄えた所に行く気になれなかった僕は、県内に残ることを決め、県内でも安定した所得が得られる所とした白羽の矢が立ったのが県庁なのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!