第1章 女の子のズボンの、前のふくらみ

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 「どこに問題が?」 試験官が眉をひそめた。 「途中からの出題なので、詳しい状況はわかりませんが、」 ゆっくりと直緒は説明を始めた。 「この、最後のセリフは、啓介のものと思われます。すると、彼が指摘している状況は、歩のものと思われ、おかしなことになってしまいます」 「なぜ?」  ……鈍い人だな。  直緒は思った。 「だって、女の子のズボンの前が膨らんでいたら、おかしいじゃないですか」
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