いつもの夜

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「ふう…今日はこれで終わりっと。」 と言いながら長時間にらめっこしていたパソコンを閉じた。 私は大手有名企業で働いている何処にでもいるようなOL25歳。 世間では私みたいな人を" キャリアウーマン "というらしい。 「 …馬鹿らしい 。」 世界中の誰でも見られるようなSNSに自分の顔を晒している女の投稿を見ながら呟く。 胸元を大きく開いた服を着ている。 揉んでください。 と言っているようなもんだと心の中で嘲笑う。 ふと時計に目を向けると終電まであと少しだったので急いで会社から出て少し小走りで駅に向かう。 なんとか終電には間に合い、家に着いた。 私は会社では彼氏が出来ない。結婚が出来ない。やらなんやら散々なことを言われているが私は1人ではない。 部屋に入ると 「あ!おかえり!」 と小走りで私がいる玄関に向かってくる。 そう私にはこの子がいるからだ。 この子は花田江梨花 。中学時代からの親友だ。 「ふふ、ただいま。」と私は少し口元が緩む。 その後江梨花は小走りでリビング戻り振り返り私に手招きをする 「今日ねこれ作ってみたの!」 そう言われテーブルを見ると美味しそうなハンバーグが置いてあった。私の帰りに合わせてわざわざ作ってくれたらしい 。 私は椅子に座り手を合わせ「いただきます。」と言いハンバーグを口にした。 やっぱり江梨花の作る料理は美味しいし私を幸せにしてくれる 。仕事の疲れもぶっ飛ぶぐらい美味しい。 ふと江梨花を見ると仕事に行く準備をしていた。 江梨花はお世辞にも可愛いとは言えないが愛嬌等はそこら辺の女よりあるはず。 慣れた手つきでアイライナーを引き、チークをつけ化粧を着々と進ませていた。 私もご飯を食べ終え、食器類を片付けていると玄関の方から声が聞こえた。 「じゃあ私行ってくるね 。」 と言い部屋を出ていく江梨花。 私は食器類も洗い終わり、ソファーに座りふとあの日のことを思い出した。
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