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『あのね、彪翔。お腹がすくとすっごく辛いの。もう頑張れないの』 『お腹がすいてるから、悪いこと考えるんだよ。お腹いっぱいになったら幸せな気持ちになるでしょ?』 お腹がすいた時の絶望的な顔から、美味しいものを食べるととたんに幸せな顔に変わる。 その表情を見るのが何より好きだった。 「オイ……こんな食えねぇよ。どんだけ買ってんだ」 困惑したような少女の言葉に、驚いた。 「えっ!ハンバーガー5つしか買ってないよ?ポテトは3つだし」 「Lサイズみっつじゃんか!俺、こんなに食えねぇよ」 「食べれないの?お腹すいてるのに?嘘だよね?紅羽(くれは)だったら……」 【彼女】の名前が思わず溢れ、自分の言葉に驚愕してしまった。
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