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クレアと公園で話してから数日が経ち、まだ紅羽に電話が出来ないままでいた。
午前の仕事が終わり、ランチタイムになる。
「ミウラ、下に誰か訪ねてきてるぞ」
外回りから帰ってきた同僚が、ニヤニヤ笑いながら肩を叩く。一瞬嫌な予感がよぎるとすぐ、受付から内線が鳴った。
「……すぐ行きます」
「お前、どこであんな美人と知り合ったんだ」
同僚の言葉に、その場がざわつく。ロリコン趣味だと言われないだけマシか……恐らくクレアだろう。
社内中の人間の視線を浴びながら、階下のロビーに向かった。
「あ、ヒョウト!近くに来たから寄ってみたの」
「……クレア?」
来賓用のソファーに座って優雅に紅茶を飲む女性。
金の巻き髪を背中に垂らし毛皮のコートに身を包み、傍に黒服のボディーガードを従えていた。
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