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僕が【彼女】と出会ったのは高校の頃。 大食らいで豪快で鈍感で残酷で、傷付きやすい女の子だった。 【彼女】が誰を見ているのなんて、そばにいた僕が一番よく分かっているはずだったのに。 好きだと告げる勇気も無いくせに、彼女の恋路の邪魔をした。 僕がついたたったひとつの嘘のせいで、彼女の恋は大きく遠回りをしてしまったのだ。 僕がどんなに邪魔してもめげない、執念深いアイツのお陰でめでたく結ばれたけれどね。 だから僕は嘘をつかないことを自分に課している。 けれど自分の気持ちに向き合うだけの器もなくて。 身内だけで船上ウェディングをした彼女を見ぬまま、まだちゃんと向き合えていないまま、逃げるように渡米したのだ。
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