優しき者より、護るべき者たちへ

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僕が生まれた国と海をはさんで隣の国。 そこの言葉で僕の名前が呼ばれ、お世辞にも品がいいとは言えないむくつけき男達が迫ってくる。 「はぁ……」 ため息と共に肩を落とし、彼らを見据える。 彼らは懐から取り出した銃を構え、走りながら引き金を引く。 ッパァァァン!と乾いた音が鳴り響き、ビルの間で木霊する。 銃口から放たれた色気のない鉛玉を視認して、対処する。 弾速を測定し、回転速度を測定し、着弾まで時間を予測する。 銃口の向きを測定し、引き金を引いたタイミングでの腕のブレを測定し、発射角度から弾丸の到達地点を予測する。 そして、それらを絶妙なタイミングで避けつつ、“前へ”と進む。 「「「なッ!?」」」 驚きの声を上げる彼らの目前に迫り、僕は手近な二名の喉元を左右の手でそれぞれ掴む。 そのまま少しだけ力を入れるだけで、壊れる人間。 一般人が聞けば身の毛もよだつ様な音と共に崩れ去る二名に他の男たちも目を見開く。 恐怖に駆られ、持てるすべての力を撃ち出す者たち。 その銃弾を全て視認して、僕は避ける。
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