優しき者より、護るべき者たちへ

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そしてそのまま、彼らの喉を掴んで首を折る。 そんな作業を数回繰り返して、僕は人だったものの上から降りる。 「一体、どこで間違ったのやら……」 いや、どこで?ってわかりきっている。 初めっからだ。 親の言いなりになって、親の思い描く子供になろうとした。 そこに含まれていた願いに気づかず、無暗に突き進んだ。 親ももっとわかりやすい願いを与えてくれればよかったのに…… 医者になれとか 警察になれとか 官僚になれとか 社長になれとか 「まぁ、親に責任転嫁してもしょうがないし……」 こうなったのはあくまで自己責任だ。 親の思い描く人形になろうと決めたのは自分。 そうして取り返しがつかないところまで来てしまったのも自分。
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