444人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
──それなのに。
「美弥、俺、運命の人に出会っちゃった! 彼女と結婚する!」
この1年、週末の夜をいっしょに過ごしてきた哲也が30分ほど前に出会ったばかりの若い女の手を取り、満面の笑顔であたしにそう宣言した。
「名前もちゃんと聞いてませんが、そういうことになりました!」
語尾に浮かれた甘ったるさを残しながら、若い女のほうも彼の手を取って頷いている。
あたしだって、こんな女の名前なんて知らない。
今わかっているのは、哲也が他の女と結婚する、と嬉しそうにしていることだけだ。
なんで、こうなったんだろう。
.
最初のコメントを投稿しよう!