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我に返ったのは、チェックインしたホテルの部屋のベッドを見てからだった。
2人がいっしょにごろごろしてもまだゆとりのあるクイーンベッド、ロングサイズ。
この部屋がいい、ベッドがゆったりしてるほうがいい! ……と選んだのは哲也。
その話をしているときの哲也の顔を思い出し──瞬間的にカッとなって、コインロッカーから出してきたばかりのバッグを壁に叩きつけた。
“ごめん、美弥とはさっきまで恋人同士だったけど……もう、違うから”
ぼんやりしたままのあたしに、哲也は心底すまなさそうに頭を下げた。
その腕には、知り合ったばかりの女がしがみついていた。
おかしいな、そこはあたしの場所だったはずなのに……と動かない思考回路のすみっこで思った。
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