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地元に戻ってきて待っていたのは、山のような書類仕事だった。
これをパスして休みをとったので、しかたがない。
──最悪の休みになっちゃったけど。
この高校の勤務が決まってから、もう2年が過ぎようとしている。
春休みの早朝、薄暗い職員室にはまだ誰もいなかった。
運動部の朝練は始まっているけれど、校舎にもあまり人がうろついていないようだ。
職場にはいつも、やたら爽やかで独特の怠惰な空気が流れている。
中心となるのは、思春期の子どもたち……もとい、瑞々しい10代の少年少女たちだから。
正直、子どもの相手は疲れる。
中学生じゃないだけましだ、と自分に言い聞かせる日々はなかなかどうして、精神面が削られていくものだ。
なんでこんな仕事選んだんだっけな……とぼんやり窓の外を見つめていると、背後でガラリと引き戸が開く音がした。
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