0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
† † †
私は誰からも必要とされていない。
その有様は酷いものであった。
家庭での父親による虐待。母親は知らぬふり、それだけにとどまらず食事さえも与えない。
学校ではいじめ。
上靴は無く、トイレに入れば上から水や泥、食べかけのご飯。勉強道具など以ての外、クラスが始まった時はピカピカだった机は今やハサミやカッターでズタズタになり見る影もない。すれ違いざまに殴られ、体育倉庫に連れてこられたと思ったら女子や男子にリンチ。
その点を考えれば私は必要とされていたのかもしれない。
と私は笑う。
当然、こんな日常があってたまるものか。
いつしか私は彼等への復讐のみを祈り、意味の無い遺言書を残し、酷く嗜虐的な笑みを浮かべ、黒板の前で自らの首を包丁で切り、自殺した。
† † †
最初のコメントを投稿しよう!