序章 死の定義

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† † † 私は誰からも必要とされていない。 その有様は酷いものであった。 家庭での父親による虐待。母親は知らぬふり、それだけにとどまらず食事さえも与えない。 学校ではいじめ。 上靴は無く、トイレに入れば上から水や泥、食べかけのご飯。勉強道具など以ての外、クラスが始まった時はピカピカだった机は今やハサミやカッターでズタズタになり見る影もない。すれ違いざまに殴られ、体育倉庫に連れてこられたと思ったら女子や男子にリンチ。 その点を考えれば私は必要とされていたのかもしれない。 と私は笑う。 当然、こんな日常があってたまるものか。 いつしか私は彼等への復讐のみを祈り、意味の無い遺言書を残し、酷く嗜虐的な笑みを浮かべ、黒板の前で自らの首を包丁で切り、自殺した。 † † †
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