序章 死の定義

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† † † 昔から神社の息子と言うだけで何もかものハードルを上げられた。 だからといって神社のお手伝いを雑にこなしたりサボったりすることは無く、しっかりやるべき事を心を込めて行っていた。 そんな僕はある本にはまっていた。 【ジキルとハイド】 というロンドンを舞台としたミステリー小説である。 この本になぜはまったのか、心あたりがあった。 幼い頃から寝ている間の記憶に不可解な違和感を感じることがあり、決まってその日には『ちょっとした事件』が起こるようになっていたからだ。 近所の鶏が無残に殺されていたり、農作物が荒らされていたり等だ。 ある日、僕はもうひとりの僕の存在に気づいた。 不可解な出来事の、犯人にも。 歳を重ねる毎にその意識は強くなっていく。僕には抑えられないと悟った時、死を決意した。 すべての人々に、幸あれ 崖から飛び降り、自殺した。 † † †
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