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「おやすみのキスは俺からするから、おはようのキスは君からして」
「えっ!?」
俺からの提案にパニックを起こしてバッチリあんぐりしている彼女の唇の端に、
「これからずっとの、約束」
と言って、わざと大きなリップ音を立ててキスをする。
「何照れてんの?今だって情事は一通りやったでしょ」
「言い方!」
未だに顔が真っ赤になる初々しい彼女の反応が楽しくて、ついからかってしまう。
「明日楽しみにしてる。おやすみ」
と言って彼女に背を向け、俺は素肌の肩まで布団を引き揚げた。
「ど、どうしよう……」
もぞもぞというシーツの動きと、不安げなトーンの呟きが隣から聞こえて来る。
眠れなくなるかな?
彼女、昔から考え過ぎるとこあるから。
多分今も、タイミングとかシチュエーションとか脳内でシミュレーションしまくってるはず。
でも考え過ぎて結局答えが決まらないんだろうけど。
そして一発目は勢い任せ。
これがいつもの流れ。
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