第1章

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「お前はどうなんだ?まだ彼女できないのか?」 不意に話を振られて加納が面食らった顔をする。 「まだそんな気ない。 仕事だってこれからだし」 「周りが放っておかないだろ?」 「この間上司が見合いの話を持ってきた」 何気なしに口に出した言葉の返事に赤川が顔を上げる。 「……へえ」 「世話好きな方でちょっと困ってる」 「で?受けたのか?」 赤川が加納の盃に酒を注いだ。 「断ったんだが、 ともかく一度だけでも会ってくれないかって言われて……」 弱ってる、 と加納が杯を傾ける。 ふーんと相槌を打った赤川がごぼうの白和えを摘んだ。 「……お前に決まった相手が出来たら、 俺も考えようかな」 ぼそりと呟く赤川に加納が視線を流す。
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