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※※※※※
「ただいま」
そう言って玄関の扉を開けると、妻がパタパタと駆け寄って来た。
「おかえりなさい」
「うん」
生返事すると、スーツのジャケットを脱がしてくれる。
「ご飯にしますか? それともお風呂?」
「まるで新婚みたいだな」
「こうやって迎えるの、憧れだったんですよ?」
「初耳だぞ」
「ウフフ。いつも忙しそうだったから言い出しづらくって」
無邪気に笑いながらコートをハンガーに掛ける妻。それを見て少し新鮮な気持ちになる。
そう言えば、結婚した時から帰りはいつも彼女が寝た後だったっけ。こんな風にしてくれるのは久しぶり、いや、初めてかもしれない。
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