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「でも・・・」 若い男が言い返そうとしたところ、もう1人の男が止めた。 「どうしたんだ、高梨。おかしいぞ。斉木さんの言う通りだろ?早く仕事終わらそーぜ。」 この男からは何も感じない。 軽蔑の目も、哀れみの目も向けてこない。 そうか。 これは"無関心"というやつか。 俺たちのことは邪魔だとも思ってないが可哀想とも思わない。 どうでもいいのだ、この男にはとっては。 「坂東さん・・・。」 「もういい。」 オールバックの男は自分の懐から銃を取り出し、躊躇うことなく手際よく引き金を引いた。 そして俺は痛みを感じる間も無く、意識が一瞬で消えた。 「高梨、失望したぞ。」 「行くぞ、高梨。後で斉木さんに謝っとけよ。職を失いたくはないだろ?」 人を殺めたことなど何も感じていない2人に、高梨はトボトボとついて行く。 これが俺の選んだ道なのかと、過去の自分を恨んだ。 帰りの電車のホーム。 ここは都会ではなく、田舎とも言われないような場所なのだがそれでも人は溢れかえっている。 久しく満員じゃない電車内を体験していない。 「高梨、見ろ。こんな場所にも人は溢れてる。皆が皆、幸せになれるなんて考えるな。」
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