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「ふっ、ざけるなぁー!なぜこんな事になった?俺は生きる事さえ許されないのか?なあ、俺は何もしねーよ。この国の害にもなりゃしねーんだよ!」
どんなに嘆いてもスーツ姿の男の意思は変わらない。
「例えば、だ。机の上に消しカスが落ちているとしよう。それは別に害にはなりゃしない。でも捨てるだろう?邪魔だし、汚いからな。お前も同じなんだよ、カスが。」
プシュンーーー。
静かな銃声とは裏腹に男の頭は派手に血飛沫を上げて機能を停止した。
「せめて安らかに眠れ。」
立ち去る真ん中の男の後に続き2人の男達も場を立ち去る。
「お疲れ様です、斉木さん。」
付き人らしき男の片割れ、1番若い高梨が真ん中の男に声を掛ける。
ポマードで固めたオールバックの髪を撫で、斉木は黙って歩く。
もう1人の体格の良い男、坂東がスマートフォンを取り出す。
「どうぞ。」
斉木は黙って受け取り耳に当てるとワンコールで相手は出た。
「お疲れ様です、斉木です。只今"掃除"完了致しました。位置情報を送りますので処理班の手配をお願い致します。・・・はい、了解しました。失礼します。」
電話を切ると坂東へスマートフォンを投げ渡した。
「今日の"掃除"は終わりだ。」
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