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「案外早く終わりましたね!この後一杯どうですか?」 「高梨、そう言って坂東さんに奢ってもらいたいだけだろ?」 「バレました?」 先程の緊張感とは打って変わり高梨は悪戯な笑顔を見せる。 斉木はネクタイを緩めながら微笑した。 「構わん。いつものとこで良いな?」 「やりぃ!」 斉木は2人を連れ、行きつけの居酒屋へと向かった。 この居酒屋は完全個室性で上流階層の人間しか入店が許されない。 3人の仕事上、都合の良い店だ。 中に入ると斉木が座るのを確認してから2人も座る。 「今日もお疲れ様でした!乾杯!」 カンっ、とビールの入ったジョッキが景気の良い音を立てる。 「それにしても世の中変わりましたねー。」 「まあ、な。数年前に黒澤が首相になって以来強引な政策が始まったからな。」 真っ先に坂東がビールを飲み干し、赤くなった顔で話し出す。 「そのお陰で今の俺たちは生きていけているんです。上流階層の仲間入りもさせて貰えて、有難いもんです。」 はあ、と深い溜息を吐いた高梨はジョッキを静かに置き俯いた。 「でも良いんですかね、こんな生き方。俺たちの仕事って胸を張れるもんなんですかね・・・。」
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