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下流階層の人間はホームレスと犯罪者が大半を占めている。
「いや、違う。小さな工場の経営者だ。借金まみれの中年男だよ。」
「そう、なんですか。」
3人は中年男の真後ろまで接近したところで高梨は背中に銃を突きつけた。
そして耳元で斉木が囁く。
「おい、路地裏へ行け。」
中年男の身体はビクッと弾んだ。
正面からの顔は見えないが首筋は脂汗でぐっしょりと汚れている。
「な、なんだお前ら。新しい借金取りか。頼むよもう少し待ってくれ。来週には纏まった金が手に入るんだ!こ、ここは見逃してくれよぉ・・・。」
勘違いしている中年男は3人に命乞いをする。
「残念ながら俺らはそんなに生易しいもんじゃねーんだ。掃除屋、って言えばわかるか?」
すると中年男は素早く振り向いて3人の顔を凝視した後情けない悲鳴を上げ人混みの中へ逃げた。
「高梨、左の二の腕をやれ。」
「はい。」
高梨は返事をするのと同時に人混みの中へ銃を放った。
その銃弾は寸分狂うことなく中年男の二の腕を撃ち抜いた。
「ぐあっ!!」
負傷しながらも必死で走る。
「流石だな。国に雇われただけある。追うぞ。」
「は、はい。」
「うっす。」
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