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その後、食事の代わりに本当に美味しく食べられてしまった私は、今コージの腕の中にいた。
ドキドキドキとコージの心臓の音がする。
なんだかそれがすごく嬉しくて、もっと近づこうとしてすり寄ったら、
おでこにチュッとキスをされた。
コージはあの後、田上さんの話は何もしなかった。なので私も何も話してはいない。
コージのヤキモチは私を舞い上がらせたけれど、それと同じくらい寂しそうなコージを見るのは辛い。
私は笑っているコージが大好きだから――、
「コージ、大好きだよ」
耳元に唇を寄せてそっと囁いたら、
ギュッと抱きしめられ「やべぇ」と小さく呟いていた。
何がヤバイのかよくわからなかったけれど、こうして痛いくらいに抱きしめられるのは嫌じゃない。
むしろ好き――。
どっぷりと甘い幸せに浸っていたら、ガバッと今度は勢いよく身体を離された。
びっくりして目が点になる。
コージは真剣な瞳で私に言う。
「結婚ダメなら今すぐ婚約しない? 公に宣言しちゃおうよ!」
「……」
神様、私とコージの甘い駆け引きは、まだまだ続きそうです――。
FIN
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