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「あの…?」
楓は抱きつかれたまま、きょとんという顔をした。
「え??」
私も楓も訳がわからないという風に、固まった。
その様子を見ていた佐竹さんが間に入って説明してくれた。
「新人隊士はん。こちらは女中の香衣(カエ)や。どなたかと間違えてるんとちゃう?」
………人違いだった?
でも、顔も声も、名前も似てる。
先祖とか………?
「あの、いきなりごめんなさい。友人にとても似てて。」
私は深々と謝罪をした。
「顔をあげてください。新人さん、これからよろしくお願いしますね」
こうやって話すと違うと感じる。
雰囲気が柔らかくて女子っぽい。
楓はこう…ガツガツ!っとした感じだから。
「ところで、お名前は?」
香衣さんにそう聞かれ、せや!と佐竹さんも名前を知らなかったことに今更ながら気付いた。
「下田佳奈です。よろしくお願いします」
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