Love traveler

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☆34 タケルはカナの手を引っ張って どんどん歩いて行く 「タケルさん?」 タケルは立ち止まらない 「タケルさん、大丈夫です。」 タケルは我に返る 「あっ、ごめん。」 カナの手を離す そしてカナの方を向いて 「もしかして…今会った彼が旅行の時に言ってた…」 「そうです…タケルさん、助けてくれて  ありがとうござい…ます。」 ポタっ カナの目から涙が溢れている 「ごめん。笹谷さんがあの場にいたくないと思って  つい引っ張ってここまで来たよ。」 「ごめんなさい。泣くつもりなんてなかったのに…」 カナは手の甲で涙を拭う タケルは思わずカナの手を取り 抱きしめた 通行人はチラチラと二人のことを見ている 「こうすれば、泣いているところ見られないだろ?」 グスッ 「ありがとう…ございます。」 あれ?タケルさんの心臓の音が早い 抱きしめられながらカナは思った あ、まずかったな つい抱きしめたけど、俺の緊張が 笹谷さんに伝わってるかも… 暫くそのままでいた 「タケルさん?」 「ん?」 「もう大丈夫です。ありがとうございます。」 二人は離れた 「うん。…笹谷さん?敬語やめない?」 「えっ?だって先輩だし、タケルさんは。」 「いいよ。気にしないで。」 「じゃあ、その代わりに私のこと名前で読んでください。」 「いいよ。呼び捨てでもいいの?ってまだ敬語だけど  笹谷さん。」 「あ、苗字で呼んでるよ。タケルさん」 「うっ、言ったなぁ。カナ」 そう言ってタケルはカナの頬を摘んだ 「痛いっ。」 プッ タケルは笑いながら謝る 「ごめんごめん。…何食べようか?カナ。」 「う~ん…手焼きせんべいが食べたい。」 「渋いねぇ。カナは。」 二人で笑いながらおせんべい屋へ向かった… ………
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