Love traveler

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☆36 日差しが少し暑い感じ でも風が出ていて それほど感じない 二人で電車に乗る 海が見える側の乗車口に二人並んぶ 「久しぶり~。やっぱり江ノ電好きかも。」 子供のようにはしゃいでいるカナを見て すっかりカナのペースだな でも嫌じゃないのは何でだろう… タケルは考える それは…やっぱり… 車窓から見える景色は 民家がぎっしりと連なっている 海が見えるまでは、まだ少し時間が掛かる 暫く進むと海が見えてくる… 建物に遮られて所々しか見えない でもカナを見ると、目を輝かせて 子供の様に海を見ている 「タケルさん、海見えてきたよ。」 「うん。カナ、そんなに見たかったの?」 「普段は学校とバイトで見ること出来ないし  気分転換したい時は、自然と向き合うのが  一番好き。海を見ていると  心が洗われるみたいだよ。」 カナが笑顔で語ってるのを見て 思わず抱きしめたくなり 手を出したが、カナに気がつかれないよう そっと隠した 理性が吹っ飛んでる… こんなにも愛しいって思えることってあるんだな タケルは他人事のように思う 好きなのにそれ以上出来ない 自分の歯がゆさと葛藤するタケル 車窓を眺めていると 湘南のシンボルになっている 江ノ島のシーキャンドルが見える 「もう直ぐ、江ノ島だよ~タケルさん。」 タケルに向かって笑いかけた タケルは胸の奥がキシキシと痛んだ 江ノ電は江ノ島駅に入り止まった ホームに出るとカナの足取りが軽い 余程嬉しかったようだ 改札を出て細い道を海に向かって歩く 食事やおみやげのお店が並んでいる そこは素通りするカナ とにかく海へ行きたかったようだ タケルより一歩先を歩いている カナの後を付いていく 「カナ~、コンビニでお茶か何か買う?」 「要らないよ~」 「って言うか俺が飲みたい!!」 ガシッと カナの腕を掴んだ その拍子にカナが少しよろめいく 「あっ!」 「おっと!」 タケルが両腕でしっかりとカナを抱きとめた… ………
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