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☆39
二人で並んで手を繋ぎ
波打ち際に立って
夕日が沈むのを見る
「綺麗だなぁ」
私、どちらになろうとも今日のこと
ずっと忘れない…
「うん。本当に綺麗だね…」
ザー… ザー…
波の音を聴きながら佇む…
「カナ、シーキャンドル行く?
さっき調べたら、最終入場が7時半だったよ。」
「うん。急がなきゃ」
グイっとカナはタケルの腕を引っ張る
「おっと…まだ大丈夫だよ。カナ。」
……
ひたすら歩く、タケルを引っ張りながら…
人もまばらな感じ、多分夜景を見る人はもう
シーキャンドルにいるんだろうか
上まで行くには石段登るより
エスカーが早い
エスカーのチケットを購入する
セットがあったので展望台まで二人で買った
もう砂浜でもないのに二人は手を繋いだままだった
そのことに気がついてない二人…
「久しぶりに乗ったなぁ」
「私も!」
鼻歌まで歌いだすカナ
「♪~」
思わず、ニヤっと笑うタケル
それに気がつき
「どうしたの?タケルさん?」
「ん?どんだけワクワクしてるんだか。」
「あーっ、また子供扱い!」
グラっ
カナがバランスを崩す
「危ないっ!」
タケルは何とかカナを抑える
「ここで落ちたら大変だよ。」
タケルの真剣な目を見て
ドキッ
「ごめんなさい…浮かれてました」
「そこまで落ち込むなよ。」
タケルはカナの頭を撫でた
キュン
カナの鼓動が高鳴る
あ、忘れてた…私ここで告白するんだった
どうしよう?!…
もう直ぐエスカーが頂上に着く…
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